皆さんこんにちは!
災害医療大学:医療防災学科です!
皆さんはBCPをご存じですか?
事業継続計画のことで、BCPを策定することで災害時などに素早く対応することができます。
現在医療業界では「病院のBCP策定」が話題に出ています。
BCP策定するのは災害拠点病院だけじゃないの???
クリニックなどの小さな病院もBCP策定しなきゃダメ?
といった疑問もあると思います。
まずはBCP策定の流れの現状を確認しましょう!
医療機関におけるBCP〈医療BCP〉の歴史
まず最初に厚生労働省医政局が通知を出したのは平成24年の3月です。
なんで医政局が通知出すの??という方はこちらをご覧ください!
通知の内容はこちら!
医療機関は自ら被災することを想定して災害対策マニュアルを作成するとともに業務継続計画の作成に努められたいこと。また、人工呼吸器等の医療機器を使用しているような患者等をかかえる医療機関は、災害時におけるこれらの患者の搬送先等について計画を策定しておくことが望ましいこと。なお、都道府県はこれらの策定状況について確認を行うことが望ましいこと。
平成24年3月21日 医政発0321第2号
翌年の平成25年9月には「病院におけるBCPの考え方に基づいた災害対策マニュアル」が発表されました。
平成29年3月に災害拠点病院の指定要件としてBCPの整備が整っていることが加えられました。
令和元年6月には災害拠点精神科病院の指定要件としてBCP策定が規定されています。
災害拠点精神科病院??という方はこちらをご覧ください!
令和2年4月には総合・地域周産期母子医療センターの指定要件にBCP策定が追加されています。
つまり、平成24年にBCP策定に努めるように言われ、
災害拠点病院→災害拠点精神科病院→総合・周産期母子医療センター
の指定要件にBCPが入ってきている。という状況ですね。
BCPの策定率向上のために厚生労働省は平成29年からBCP策定研修を実施しています。
BCPの策定率はどうなってる??
まずは災害拠点病院から見てみましょう!
災害拠点病院のBCP策定率
平成29年に災害拠点病院の指定要件にBCP策定が含まれました。
1年後の平成30年の時点でのBCP策定率は71.2%でした。
4年後の令和3年での報告でのBCP策定率は100%となっています。
一般病院でのBCP策定率
ここでいう一般病院とは、災害拠点病院、救命救急センター、周産期母子医療センターを除いた病院です。
平成30年12月1日時点のBCP策定率は20.1%でした。
全病院での策定率は25%でした。
今後のBCP策定の流れ予想
救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会にて報告されていることなので災害医療大学の予想ではありません。
平成30年の結果を受けて「将来的には全医療機関において策定されることが望ましい」とされています。
つまり、全病院だけでなく「全医療機関」がBCPを策定する流れになります。
どんな医療機関のBCP策定が急がれるか?
全医療機関といっても、急に「BCPを策定していないと営業してはいけない」なんていうことはありません。
〈通知されたのちにBCP策定ができなかった災害拠点病院は指定を返上しています。〉
どんな医療機関からBCP策定の流れが来るでしょうか?
優先的に策定を促す対象
現在検討会において案として出ている段階ではありますが、ご紹介します。
非常用自家発電装置や給水設備を優先的に整備してきた医療設備
要するに周産期母子医療センターと救命救急センターです。
平成30年の調査でのBCP策定率は、
周産期母子医療センターは30.9%。
救命救急センターは66.7%でした。
周産期母子医療センターはすでにBCP策定の流れができています。
つまり次にBCP策定が規定されるのは「救命救急センター」という流れが予測できます。
災害発生リスクの高い地域に存在する医療施設
各自治体で作成されたハザードマップはご存じでしょうか?
その中の地震、洪水、土砂災害などのリスクが高い病院の優先が案として出ています。
それだけでなく、ハザードマップで被災のリスクが高い「有床診療所」も案の中に含まれています。
有床診療所とはベッドが19床以下でいわゆる小さな病院やクリニックのことですね。
まとめます。
周産期母子医療センターは令和4年3月までにBCPを策定する。
その他の医療機関のBCP策定は努力すればよいだけ。
救命救急センターと被災リスクの高い病院・クリニックはBCP策定の準備をしたほうがいいかも?
BCP策定の準備をするために参考になりそうな資料などはまたまとめます!
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