皆さんこんにちは!
災害医療大学:医療防災学科です。
医療防災学科の方では医療機関におけるBCPの策定に役に立つ講義を多数公開しています。
BCPの策定を行っている医療機関の数はまだまだ少ないです。
しかし、BCPを策定したからと言って、すべてのBCPが災害時に機能するわけではありません。
それはなぜか・・・
答えはズバリ・・・この講義で解説します!
BCP策定してるとはいえ・・・
機能しないBCP
冒頭でBCPを策定したけれども機能しないことがあるのはなぜか?
という問いかけをしました。
皆さんはなぜだと思いますか??
まず答えから申し上げると、
「BCPにもピンからキリまであるから」です。
BCPは避難訓練でいうところの「避難訓練の計画書」でしかありません。
実際に訓練をしていないのに、従業員の誰もがBCPの存在を知らないのに機能するわけがありませんね。
つまり、BCPを策定してから実際に訓練、事前対策、従業員への周知を行わないとあるだけ無駄なBCPになってしまいます。
このように、形式上でしかないBCPは機能しません。
機能するBCP
機能するBCPといってもBCPの練度によって機能の度合いが異なります。
例としては、
「地域の他施設との連携も考えられたBCP」と、
「自分の店舗のことしか書いていないBCP」ですね。
同じように機能するBCPとはいえ、違うな~~という感覚は伝わるでしょうか?
BCPのレベルを把握しよう!
「自分の会社はBCPを策定しています」と言いつつ、
「本社のBCPがあるだけで、各店舗のBCPはない!」という場合もあります。
BCPを策定しているならば、ぜひ下の図のレベル5のBCPを目指しましょう!
BCPレベル0はBCPが存在していない状態です。
イメージとしては、レベル1からBCPを成長させて、レベル5を目指すRPGのようにとらえてください。
BCPレベル0:未策定
BCPレベル0はBCPが未策定の状態です。
BCPが存在していないので、まずはレベル1を目指しましょう!
RPGでいうところのレベル0はゲームにすら存在していない状態です。
災害時には業務を継続できない、復旧にめちゃめちゃ時間がかかることが考えられます。
BCPレベル1:形式上のBCP完成
BCPレベル1は、BCP第一版を策定した状態です。
とりあえず基本的なBCPを策定はしたけれど、これから育成していく段階です!
RPGでいうところの始まりの村でチュートリアルが終わった状態ですね。
冒険の旅にでるための準備をする感覚でレベル2を目指しましょう!
BCPレベル2:運用準備完了
BCPレベル2は基本的なBCPだけでなく、
初動計画や、応急救護所支援計画、事前対策実施計画のような周辺文書を策定した状態です。
周辺文書は基本的なBCPができていれば作成することができます。
完ぺきではなく、あくまでも訓練を行うために作る感覚でOKです!
RPGでいうところの武器や防具を手に入れて、冒険の旅に出るための試練に挑戦する準備が完了した状態です。
BCPレベル3:自施設で最低限機能するBCP
BCPレベル3は災害が起きた時に最低限機能するレベルのBCPです。
レベル2のBCPをもとに机上訓練を行い、見つかった弱点や改善点を列挙し、BCPにフィードバックした状態です。
フィードバックには事前対策実施計画も含みます。
また、BCPの内容を従業員に周知が終わっており、定期的な勉強会や訓練ができている状態です。
レベル2から3はレベルアップに時間がかかると思います。
冒険に出る試練は厳しく、冒険者として活動できるだけの準備が必要です。
「実際に災害が起きても対処できる!」
と思えた時こそがレベル3になった瞬間です。
レベル3になったからこそ見えてくる課題があります。それをクリアするためにレベル4を目指しましょう!
BCPレベル4:自施設でより機能するBCP
BCPレベル4はさらにパワーアップした自施設用のBCPです。
定期的な見直し、事前対策の実施ができているだけでなく、以下の対策ができているBCPです。
・災害時の事業継続に関するお金周りの計算・対策ができている ・グループ施設などがある場合、グループをまとめる災害対策本部の取り決めがある ・社長や経営者が不在〈連絡不通〉であっても機能するよう取り決めがある
レベル3からレベル4まではすんなりレベルアップできると思われます。
レベル3と4の違いは、「あった方がよい取り決めがされていること」です。
RPGでいうならば、冒険に出て最低限の装備でぎりぎり生きている〈レベル3〉のではなく、
どんな災害があっても対応できる、そこそこ冒険になれてきた状態ですね。
ここまで行けば、企業として防災に取り組むことが普通のことになっていると思います。
慣れから来る杜撰さに気を付けましょう。
ここまでは自分の施設に関するBCPでしたが、BCP策定の和を関係者に広げることでレベル5にレベルアップできます!
BCPレベル5:地域の中核として機能するBCP
BCPレベル5は自分の施設だけでなく、取引先や、地域の同業者と連携をとれたBCPが策定できている状態です。
他施設との連携数や連携度合いは青天井です。
連携をとったBCP策定の和が広がれば地域のBCPとして機能します。
連携が取れると災害時の復旧も早く、助け合うことができます。
RPGでいうところのパーティーを組んだ状態ですね。
冒険者があつまり、協力し合う約束をすることで、災害に立ち向かうことができます。
あなたのBCPはレベルいくつですか?
ここまでBCPレベル0~5までの格付けを紹介しました。
BCPを策定した方も、している方も、していない方もBCPの目指す姿を確認できたのではないでしょうか?
今回紹介した格付けはあくまでも「災害医療大学オリジナル」です。
BCPがあるとはいえピンキリの状態では、「BCP策定の信頼」が揺らぎます。
そのため災害医療大学として格付けを始めました。
今後は「BCPレベル5策定済み」と名乗れるよう、PRできるようにしませんか?
これってBCPレベルいくつ??
と思った方はぜひ災害医療大学にご連絡ください!
災害医療大学お墨付きの格付けをいたします!!
格付けのしかたや、基準について提案や質問がある方も是非ご連絡ください。
より良いBCPができるように協力していただけると嬉しいです!
コメント
[…] […]