皆さんこんにちは!
災害医療大学:医療防災学科です!
「0から始める薬局BCP策定講座」ということで、
前回は「基本方針の策定」を行いました。
今回は、災害時にどんな状況に置かれるかを確認するために、
薬局、薬局周辺の被害想定をしましょう!
今回の被害想定を前提として業務継続計画を立てていきます。
重要な部分となるので気合を入れて想定しましょう!
使用するシート
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被害想定の内容
被害想定を行うのは以下の項目になります。
薬局周辺の被害想定
震度などの災害の想定
ライフラインの被害
道路・鉄道など交通網の被害
平時に処方箋を応需している医療機関の状況
自分の薬局の被害想定
建物・構造設備の被害
資機材の被害
従業員の参集
それでは細かく見ていきましょう!
薬局周辺の被害想定
まずは自分の薬局がある地域がどのような災害が想定されているのかを確認しましょう。
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地域防災計画を確認すれば、どのような災害に対してBCPを作るべきかがわかります。
日本においては「地震」による被害が多いため、今回は「地震対策のBCP」という方針で作成します。
オススメの方法としてはDIG「災害図上演習」があります。
こちらをご覧ください。
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震度の想定
「地震対策」というのであれば震度6弱以上を想定しましょう!
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自薬局の地域のハザードマップを見てみましょう。
ライフラインの被害
ライフラインとしては「電力」「通信」「ガス」「上水道」「下水道」があげられます。
地域によっては復旧の速さは異なりますが、目安の時間として以下の表を参考にしてみてください。
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こちらは全体が復旧するまでの期間のため、
復旧にかかる最大の期間だと思ってください。
交通網の被害
地震発生後には瓦礫や車両放置により道路が使えなくなることが考えられます。
交通規制や渋滞も考えられます。
薬局周辺の主要な道路を確認しましょう。
木造建築の多い地域などでは阪神淡路大震災の時のように火災が発生する恐れがあります。
「火災が発生して周辺は通行できない」ととらえましょう。
近隣医療機関の状況
平時に処方箋を応需している医療機関の被害状況も想定しましょう。
オススメとしては薬局と医療機関が同時にBCPを策定することです。
BCPを地域の医療機関でそろって策定することで災害時の地域の連携がとりやすくなります。
薬局周辺の被害想定の記載例
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その他の特記事項ではこれまでに地域で起きたことをメモします。
自薬局の被害想定
ここまでは薬局の周辺の被害想定を行いましたが、当然薬局自身も被災する可能性があります。
ざっくり以下のようなことを検討します。
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建物構造や内部の被害
建物は耐震工事されているかにも影響されますが、震度と建物被害の目安はこのようになっています。
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建物自体が揺れに耐えたとしても、内装部分などが被害を受け、業務継続困難になることがあります。
ガラス製の物の位置、ラックの固定などを確認しましょう。
発災前は「耐震・安全性診断」、
発災後は「被災建築物応急危険後判定」というものがあります。
ぜひ検討してみましょう。
資機材の被害
調剤関連の機器は天秤など精密な物もあります。
揺れによる損傷や、停電により使用できなくなる可能性を考えましょう。
医薬品が落下、散乱することも考えられます。
従業員の参集可否
災害時に薬局の復旧を行うためにも従業員に集まってもらう必要があります。
発災時には公共交通機関・自動車が使えないことも考えられます。
そのため、「徒歩による参集」を考えておきましょう。
「自宅から薬局までの距離が10キロ以内なら参集できる」のように、参集可否の判断目安を設けましょう。
薬剤師は地域の緊急医療救護所でも必要とされています。
自薬局で活動する薬剤師だけでなく、救護所に向かう薬剤師も検討しておきましょう。
参集できない理由として以下のことも考えられます。
・普段は保育園に預けていたが、保育園が休園し、子供の世話がある
・身内に要介護者がおり、世話が必要
・食料品の配給に並べる大人が本人しかいない
・本人が透析患者であり、被災地外に避難する必要がある
自薬局の被害想定の記載例
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薬局周辺・自薬局の被害想定を考えていると、
次第に「何をしなければならないのか」が見えてきますね!
次回は「業務の把握と優先業務の選定」ということで災害時に何を優先するのかを決めましょう!
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