皆さんこんにちは!
災害医療大学:医療防災学科です!
「0から始める薬局BCP策定講座」ということで、
前回は1時間で完成する、BCPのプロトタイプを作成しました!
今回から、BCPの各項目について細かく策定していきます!
まずは「基本方針の策定」を行いましょう。
基本方針の策定は簡単に言うと、「災害時に何を優先するのかを明確にすること」です。
これを業務継続の基本方針とすることで、BCPを策定していきます。
基本方針の決め方
基本方針として決めるのは「災害時に何を優先するのか?」です。
これをもとに判断を行うことになるので一番重要なところとなります。
しかし、優先すべき業務を1つに絞れますか?
実際のところ、優先すべき業務はいくつも思い浮かびます。
今回は優先業務を列挙するだけでなく、優先順位も決めましょう!
薬局は基本的に処方箋がないと調剤できません。
平常時主に処方箋を応需している病院が「災害時に営業するのか?」が
薬局の運営方針を決めるうえで重要になってきます。
まずは近隣の病院が災害時にどうするのかは把握しておきましょう。
把握できない場合は「通常通り営業する」と仮定してBCPを策定していきます。
災害拠点病院や地域の大きな病院の近くの薬局の場合はほぼ確実に処方箋調剤を行うことになります。
被害が大きい地域では供給が途絶えた状態で発災から72時間を耐え抜く必要があります。
地域としてどのような方針で考えてるかを知るためにも地域防災計画の確認は必須です。
優先業務の例
従業員のおよびお客様の安全確保
発災時の基本的な行動として、まずは安全確保です。
店舗では従業員だけでなく、お客様の安全の確保が必須です。
「あ!!棚が倒れそうだからおさえて!!」というのではなく、
「とにかく自分の命を守って!!」と言えるようにしましょう。
発災の時に命を失っては意味がありません。
業務継続のために急ぐのではなく、従業員・お客様の命を最優先して行動しましょう。
医薬品の安定供給
発災したから自分も避難しよう!家族のもとにいこう!
このように思うのは至極まっとうなことです。
しかし、災害時でも診療を行う病院の近隣の薬局は「調剤業務を続ける」ことが求められています。
そのため、基本的には「営業を継続すること」を基本方針としましょう。
薬局は処方箋調剤だけだなく、衛生用品の販売や食品の販売を行っているところも多くあります。近隣住民のライフラインとしても営業を継続する価値があります。
医療救護活動への参加
「自分の店舗は被害なかったわ~」
「自分の近くの病院は災害時診療しないし、うちも営業しなくていいわ~」という方!
もっと地域の状況を確認してください!
地域として被害がある時、薬剤師や医薬品を求めているところはどこかしらあります。
薬剤師はDMATであれば業務調整員として活躍できます。
地域の医療救護活動に参加し、緊急医療救護所での調剤や、災害拠点病院への支援を行えるように準備しましょう!
災害現場で活躍する薬剤師の調整を行う「災害薬事コーディネーター」を知っておくことも有意義です。
財務基盤の維持
おそらく今この講義を聞いている方は薬局の経営者・防災担当の役職の方です。
経営目線で見ると、災害時といえど薬局は従業員を抱え営業する会社です。
今後も継続して営業を行うには財務基盤の維持を考える必要があります。
つまり、災害発生時に営業を行った証拠を残し、復興後に自治体に請求できる準備が必要です。
今回は「従業員およびお客様の安全確保」「医薬品の安定供給」「医療救護活動への参加」「財務基盤の確保」を例として挙げました。
自身の薬局では何が優先業務となりますか?
優先順位も付けて記載しましょう!
基本方針の記載例
1.従業員・お客様の安全確保 2.地域医療救護活動の支援 3.医薬品の安定供給 4.財務基盤の確保
いかがだったでしょうか?
今回は「基本方針の策定」ということで、BCPの判断における重要な根底を決めました。
次回は「被害の想定」ということで、自分の薬局が災害時にどんな状況になるのか?
を考えましょう!!
コメント
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