皆さんこんにちは!
災害医療大学:医療防災学科です。
「0からはじめる薬局BCP策定講座」ということで、今回から
薬局BCPを一緒に策定するつもりで薬局BCPのご紹介をします!
そもそも薬局BCPってなんだ?
という方も、この講座を受け終わるころには手元に
「自分の薬局店舗のBCP」が出来上がっているでしょう!
※この講座を最後まで受けられた場合、完成できるように作ろうと考えています。
この第1ステップでは、薬局BCPとは何かを知りましょう!
BCPとは何か?から始め、
薬局BCPとは何か?薬局BCPの目的
をご紹介します。
薬局BCPって策定する必要ある??
という方も是非ご覧ください!
BCPとは何か?
「薬局BCP」と言っているけれども、そもそも「BCP」って何??
という方もいらっしゃると思います。
かくいう僕も災害医療大学を運営している中で初めて触れた言葉でした。
BCPとは「業務継続計画」・「事業継続計画」の略称で、
一般的には企業や行政機関において策定されているものです。
不測の事態が起きた時にどんな対応をするのか?
どんな業務を優先してどのように継続するのか?
をあらかじめ決めておくことで、迅速な対応が可能になります。
迅速な対応ができるだけでなく、現状で考えられる弱点がわかるため、
リスクマネジメントとしても重要な役割なのです。
BCP策定によるメリット
なんで企業や行政がBCPを策定しているのか?
当然メリットがあるからに決まっています。
順にみていきましょう!
リスクマネジメントになる
先ほど述べたように、BCPを策定することで不測の事態が発生した時の対応方法がわかります。
また、自社の脆弱性も見えてくるため備えることができます。
取引先への信頼
BCPを策定している企業だ!
と聞けば「災害時でも業務を続けられる」と評価されます。
つまり、取引先としての安心感・信頼となります。
金銭的な優遇
時期や地域が限られた話にはなりますが、
保険料の優遇、予算調達の際の金利優遇などが行われたことがあります。
BCP策定のデメリット
策定のデメリットは単純に策定にかかるコストです。
策定のためのコンサルタント費用、人件費などがあげられますね。
薬局BCPとは何か?
ここまで企業のBCPについてご紹介しました。
では、薬局におけるBCPとはどのような物でしょうか?
「災害時にあなたの薬局は何を求められますか?」
この質問に対してあなたはどのように答えますか?
複数店舗経営している方の場合は、各店舗が何を求められているのかを考えてみましょう。
薬局BCPとは何か?
それは、「災害時に求められていることを行うための計画書」とも言えます。
災害時にも薬局としての機能を早期復旧・維持するためには
何が必要か?
どのように動けばいいのか?
を書きまとめたものが薬局BCPとなります。
災害時に薬局が求められていること
先ほど「災害時にあなたの薬局には何が求められているか」という質問をしましたが、皆さんの回答はどのようになりましたか?
「地域の方に薬を届けるんだ!」という方や、
「うちは閉鎖するしかないね~」といった方もいらっしゃると思います。
地域の中で災害時に何が求められているのか?
災害医療大学で紹介しています。
簡単にまとめると、薬局に求められることは「医薬品の供給・提供」です。
災害時に薬剤師に求められることはこちらをご覧ください!
現在の日本の医療は「医薬分業」がすすみ、病院だけでは調剤が困難です。
そのため、町の調剤薬局等も災害時に協力し合い、災害医療を担うことが求められています。
一般用医薬品をはじめ、医療機器や衛生材料、食品を売っている薬局もあります。
これらの機能を維持することも地域からは求められるでしょう。
東日本大震災の際、災害医療における薬剤師の職能が認められ、災害薬事コーディネーターという災害時の薬剤師の調整を行う役割も出てきています。
興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
薬局BCPは策定しないといけないのか?
「災害時に薬局が動く必要性はわかったけど、BCPってないとダメ?」
「災害時の備蓄はあるし大丈夫!」
という方もいるでしょう。
結論からいいます。
薬局BCPはまだ策定していなくても怒られない。
薬局におけるBCP策定はまだ義務化されていません。
現在は「策定に努める」といった表現で終わっています。
義務化されているのは、災害拠点病院。
義務化の流れが来ているのは、周産期母子医療センター、救命救急センター、病院。
将来的にはすべての医療機関でBCPが策定される状態を目指しているそうです。
〈救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会:厚生労働省〉
つまり薬局におけるBCP策定もいつかは義務化されるかもしれません。
ということで、早いうちにBCPを策定しちゃいましょう!
災害拠点薬局!?
日本薬剤師会が公開している、「薬剤師のための災害対応マニュアル」では、
地域薬剤師会の直ちに取り組むこととして
「災害拠点薬局(仮称)の整備など」が含まれています。
災害拠点薬局として考えられているのは、以下のようになります。
- 薬剤師会営薬局
- 地域の中核的な病院の近隣にある薬局
- 多数の医療機関から処方箋を応需している薬局
上記に当てはまる薬局はより薬局BCPの策定が急がれるのではないでしょうか?
当てはまらない薬局でも、まだ正式に名称が決まっていないので、名乗ることができます!
BCPを策定して、災害拠点薬局を目指すのもいいですね!
宿題~第1ステップ~
まずは自分の薬局が何を求められているのか?
地域としてはどのような防災計画を立てているのかを確認しましょう。
都道府県から検索できるので、簡単に自分の地域の防災計画を見れます!
「どんな災害を想定しているのか?」
に着目してみましょう!
さて、薬局BCP策定の第1ステップでは薬局BCPの必要性までお話ししました。
第2ステップでは薬局BCPの全体像をご紹介します!
コメント
[…] 薬局BCPとは?策定の必要性~策定ステップ1~皆さんこんにちは!災害医療… […]