皆さんこんにちは!
災害医療大学:医療防災学科です!
「0から始める薬局BCP策定講座」ということで、
前回は薬局・薬局周辺の被害想定を行いました。
今回は、災害が起きた時に薬局としてすべきこと=優先業務を見極めましょう!
使用するシート
普段薬局は何をしているのか?
優先業務を考えるにあたって、「そもそも普段は何をしているのか?」を書き出してみましょう!
調剤業務
薬局と言えば基本的に調剤薬局となります。
調剤業務は基本中の基本ですね!
しかし、調剤業務は薬局だけでは成り立ちません。
こちらの図をご覧ください。
災害時にもこの図のようにできるのか?
どうすれば調剤業務を継続できるのか?
については後のステップで考えます。
調剤以外の業務
調剤以外の業務は各薬局によって大きく差が出てくるとは思われますが、以下のようなことがあげられます。
- 一般用医薬品の販売
- 衛生材料の販売
- 雑貨・食料品の販売
- 在宅患者訪問薬剤管理指導
定常的な業務
こちらは事務に近い業務になります。
- 医薬品の発注
- 薬事管理
- DI業務
- 構造設備管理
不定期の業務
いつも行っているわけではない業務です。
- 薬学生の受け入れ
- 研修・勉強会への参加
- 学会発表、学会出席
- 地域行事への参加
災害時特有の応急業務
災害が発生した際に応急的に求められる業務を「薬剤師のための災害対策マニュアル」から紹介します。
患者の避難誘導
自薬局にいる患者の救護〈手当て〉、安全な場所への避難誘導が必要です。
近隣の避難場所の確認も行いましょう。
在宅患者、透析・在宅酸素など特別な治療を受けている患者に連絡し、避難の支援を行うことも役割の一つです。
従業員の安否の確認
従業員の安否を確認し、今後の出勤の可否を判断します。
道路や交通事情の関係で薬局に泊まることも考慮します。
出勤していない従業員には緊急参集するかどうかの判断をします。
薬局の状況確認
・ライフライン〈通信、電気、水〉及び構造設備を確認します。
薬局の建物自体が安全かどうかを判断するためには、
「被災建築物応急危険度判定」を行います。
・燃料〈ガス、ガソリン、灯油等〉の確認を行います。
発電機を用いて電気の供給を行う必要も考えます。
・医薬品の状況の確認
使用可能な医薬品の量や今後必要となりそうな医薬品の確認を行います。
・調剤機器や器具、その他消耗品の状況確認
・近隣薬局の業務継続状況の確認
近隣の薬局がどのような状況かを確認し、お互いに助け合う必要があります。
業務継続の判断→薬剤師会への連絡
そもそも薬局として業務を続けられる状態かの判断は重要です。
薬局として活動するのではなく、全員薬剤師として医療救護にまわる選択肢もあります。
出勤可能な従業員や店舗の被災状況から判断しましょう。
業務を継続する場合、薬剤師の支援要請や資機材の要請を地域の薬剤師会に連絡します。
業務を継続できない場合はその旨を連絡し、救護活動への参加を申し出ます。
近隣医療機関への連絡
近隣の医療機関の被災状況、診療状況を確認します。
また、自薬局の業務継続状況を報告します。
場合によっては病院の方で薬剤師を欲しているので、その旨を薬剤師会に共有し、調整します。
取引医薬品卸への連絡
被災地の医薬品不足の状況や
配送ルートがどの程度機能しているのか、
自薬局への医薬品供給はどの程度可能なのかを把握します。
他の医療機関〈災害拠点病院等〉に優先して供給している場合も考慮します。
被災地における支援活動
地域の薬剤師会を通じて可能な範囲で近隣医療機関に薬剤師を派遣することが求められます。
また、学校薬剤師として、学校が避難所になっている場合には公衆衛生活動に参画することが求められます。
優先業務の選定
ここまで薬局が普段やっていること、災害時に求められることを挙げてきました。
これらすべてを行うことはかなり難しいです。
この中から、「優先業務」「やらなくてもよいもの」を分けていきましょう。
優先業務とは、手段やサービスを変更してでも継続すべき業務です。
また、優先業務の中でも優先順位を考えておくと後のステップにつながります。
優先業務の記載例
応急業務は上で紹介したものの中で、自分の薬局に当てはまるものを記載しましょう!
さて、優先業務は決まりましたか??
このように書き出すと、どんどん災害時の活動のイメージが明確になってきますね。
次回の講義では優先業務を行うためには何が必要なのか?を把握しましょう!
コメント
[…] 災害時に薬局として優先する業務を見極めよう!~薬局BCP策定ステップ6~… […]